【医療業界特化税理士解説】開業医と勤務医って何が違う?開業を目指すうえで知っておきたいポイント3つ!

医師としてキャリアを積んでいくと、研究職へ進むか、勤務医としてキャリアアップしていくか、または開業して独自の道を拓くかなど、さまざまな進路が考えられます。

勤務医か開業医かは多少の制約があるものの、ある程度自分の意思で選択することができます。
勤務医と開業医の働き方の違いをしっかりと理解し、開業する場合に備えてどのような準備が必要なのかについて詳しく解説していきます。

 

 

勤務医と開業医、どちらで働く医師が多い?

まず押さえておきたい勤務医と開業医の大まかな特徴は下記の通りです。

勤務医=病院や診療所などの医療施設で雇用されて業務を行う医師
開業医=自ら病院や診療所などを経営し、医師と経営者という2つの面を持っている

勤務医として働く医師が半数以上、開業医は20%程度

厚生労働省「令和2(2020)年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」によると、
「病院(医育機関付属の病院を除く)」「診療所」「医育機関付属の病院」の医師数では、いずれも昭和61年から増加傾向が見られます。

なかでも「病院(医育機関付属の病院を除く)」が最も多くなっており、令和2年は、その勤務者だけで医療施設従事者全体の49.1%と、
医師の中でも「病院(医育機関付属の病院を除く)」で働く医師の割合は年々増加傾向にあります。

すなわち開業医の割合は依然として20%と低く、半数以上が勤務として働いているという実態があります。

 

勤務医として働くメリット・デメリット

医師のキャリアとしては勤務医が主流であることがデータからわかりましたが、勤務医として働く場合と開業医として働く場合は、どのようなことにどのくらいの違いが生じるのでしょうか。

働き方・の3つの項目を大きく見てみましょう。

働き方

勤務医
・高度医療など業界最先端の医療のスキルを習得できる
・同僚や上司の医師との交流により新たな知識、人脈を広げられる
・リスクマネジメントを請け負う専門部署があり、個人で責任を負う機会が少なくて済む
・多岐にわたる職種と交流できる
・専門医資格の取得に有利
開業医
・自分の理想とする医療を実現できる
・労働時間に関する裁量権は自分にあるため、自分のライフスタイルや目指す診療スタイルに合わせられる
・勤務医によくある医局人事や人間関係による精神的ストレスが少ない
・地域住民との距離が近く、地域医療に貢献していることが実感できる

大病院の勤務医になると、難病治療や高い技術の医療に関わることもあり、人脈を築いたりして将来のキャリアを堅実に固めていくことができる可能性があります。一方、組織に属しているゆえに人間関係のしがらみや長時間労働など、希望と異なる働き方を余儀なくされることもあるでしょう。

開業して夜間の緊急外来の受け入れをする場合などは別ですが、基本的には開業医の場合自分で働く時間をある程度決められるため、
夜勤・当直などの勤務スタイルになる勤務医とは大きな違いがあります。

また、希望の部署異動ややりたいことができる環境に身を置くための院内政治に悩む方も多く、
個人の法的リスクが小さくなる分、自分自身の「やりたい」に対して積極的に実現できる可能性が低い場合もあります。

年収

勤務医
・雇用と収入(給与)が安定している
・年功序列で役職・年収がアップすることが多い
・組織に属しているので、各種保障・年金などの福利厚生・社会保障を受けられる
開業医
・勤務医よりも2倍近く年収が高い
・他の医療施設との差別化により通院者が増えると、収入が大幅にアップする
・診療所の評判が上がれば、収入は青天井になりうる

一般病院勤務医の平均年収は、勤務する地域や診療科によって差がありますが、医療法人では1,500万円程度と言われています。
高度な知識・スキルを有する治療の担当医や社内でのポジションにより年収の増減はあるものの、開業医は自身の経営手腕で年収を上げることができます。

開業地や商圏ポテンシャルに依るところが大きいですが、適切な投資のタイミングと経営手法で自身の力で大きくしていく人が多いといえます。

診療のスタイル

勤務医
・多く幅広い症例、稀な疾患の診療に携わることができる
・診療科、医療施設を超えて医師たちとの連携ネットワークを築ける
・国立病院や公立病院に勤務している場合、公共への貢献を実感できる
開業医
・病院の診療方針などを自分で決められるため裁量権が大きい
・地域の医療ニーズに応じて、診療方法や条件を柔軟に変更する必要がある
・広告宣伝など、診療以外の業務も行わなければならず診療に専念できない場合がある

総合病院などでは、患者さまが遠方からやってくる場合もあります。地域の外にも医療サポートの手を広げていくことができる点は医師として大きなやりがいになるでしょう。

診療所では地域住民との距離が近く、かかりつけ医としての役割を期待されることが多いでしょう。その際は、患者さまに安心してもらえるような信頼関係の構築やコミュニケーションが重要です。コミュニケーション力に自信があれば開業医も選択肢のひとつとなるでしょう。

一方で、専任の従業員が確保できない場合には、広告宣伝など診療以外の業務も自身で行わなければならず、思うように診療に専念できないこともあるかもしれません。

勤務医と開業医、どちらを選ぶべき?

勤務医と開業医それぞれのメリット・デメリットを整理しました。これらを踏まえたうえで、勤務医、開業医に向いている医師をそれぞれ確認してみましょう。

勤務医に向いている医師

勤務医は安定しているという大きな魅力がある一方で、雇用されている以上、仕事の自由度と年収は比較的低くなります。その点が気にならなければ、勤務医のキャリアを選ぶ方法もあるでしょう。

また、所属する病院の経営方針や求められている役割を理解して働ける力があるのなら、勤務医として優れた仕事ができるはず。事務的な業務を担ってくれる部署がある勤務先を選ぶことで診療に集中できるので、充実した環境のなかでスキルを早く磨くことが可能です。学会や海外研修にも参加しやすいでしょう。

加えて、外科などの大がかりな手術と入院を要する診療科では、設備投資などの開業リスクを考慮した結果、勤務医を選ぶケースが多いようです。

開業医に向いている医師

「自分の理想の医療を実現したい、自分の力でどれだけ医療に貢献できるかチャレンジしたい」という意思がある場合は、開業の道を選ぶ医師が多い傾向があるようです。

開業医の大きなメリットは、自分の判断と裁量で診療と病院・診療所の運営ができること。また、ふるさとの地域医療に貢献するなど、勤務地も自由に選べます。

開業医が多い診療科は、内科や歯科のほか、開業資金が少なくて済む心療内科や、日帰り手術の需要が急速に増えてきている眼科、皮膚科などです。これらの診療科に従事している、または将来的に従事したい医師は開業もひとつの道でしょう。

もし開業して院長となった場合、医師や看護師、事務員などを雇用するのであれば、勤務医では求められなかった雇用主としてのコミュニケーション力が求められます。また、患者数を増やすための広告マーケティングなど、医療以外の分野の幅広い知識やスキルも必要です。多角的なスキル、知識を発揮したい場合は開業医が向いているでしょう。

開業を目指す場合に抑えておくべきポイント

開業する際に重要になるのが資金計画です。資金計画は事業を軌道に乗せるカギといっても過言ではありません。

計画作成上必ず確認したい3つのポイントをご紹介いたします。

①「最悪の場合」想定で作成しているか

開業後に想像以上に支出が膨らんでしまう、思わぬ支出が発生するなど予想外の出来事に見舞われることがあります。

そういった事態を未然に防ぐために資金計画は具体性が大切ですが、もし起こってしまった場合にも対応できるように余裕を持った資金計画を立てる必要があります。

運転資金は少し多めに見積もり、またクリニック・診療所開業経験者の成功事例失敗事例から支出のシミュレーションを念入りに行っておきましょう。

②融資を受ける場合、自己資金比率が著しく低くないか

クリニック開業は多くの資金がかかる場合が多いですが、だからといってその分借入金額が多くても認められるわけではありません。

むしろ、高額な借り入れほど資金計画が具体的かつ現実的かどうか審査されます。

その際自己資金が乏しい中高額な借入を希望している場合、どうしても融資申請は通りにくくなるため、借入希望額に対する自己資金比率はできるだけ高める必要があります。

融資実行の目先の話だけでなく、長い目で見たときに想定外のハプニングにも対応できる体制を整えるためにも自己資金を余裕をもって準備しておきましょう。

③第三者に確認してもらっているか

自分では完璧な計画が書けていたとしても、相手に伝わっていない、または筋が通っていないと見受けられる場合があります。

第三者に資金計画を確認してもらい、客観的に計画書の意図が伝わるか、地に足のついた計画になっているか確かめることが重要です。

相談役としては家族やビジネスパートナーだけでなく、起業家や税理士など専門的な知見からアドバイスをもらえる人にも話を聞いてみましょう。

以上3点が資金計画を立てるうえで必ず確認したいセルフチェック項目でした。

今一度作成した資金計画を練り直す必要がある場合は、専門家のチェックなどを経てさらに計画を具体化していきましょう。

【計画後の融資獲得率UP】計画の相談から融資獲得まで税理士がサポート

資金計画は第三者に見てもらう、かつ専門家のチェックを重ねることでおのずと精度が上がっていきます

事業を軌道に乗せ、廃業などで負債を作らないために、資金計画は具体的かつ堅実に作ることが重要です。

だからといって、1人で悶々と悩む必要はありません!

資金計画だけでなく、事業計画全体の相談に乗ってくれる、創業支援サポートのある会計事務所・税理士事務所が向いているでしょう。

融資を通すこと=事業成功の夢を叶えること

融資は一度申請に落ちてしまうと同じ金融機関では再申請ができないことがほとんどのため、確実に成功させたいなら融資に強い税理士と一緒に申請して通過率をUPさせることが重要です。

希望額通りの融資実行が、事業成功の夢を叶えることにつながります!

まずは融資実行・創業支援サポートを行っている税理士に相談しましょう。

当事務所は創業支援サポートを強みとする医療業界特化のサポートを行っています。

医療に強い税理士に依頼する3つのメリット
➀医療特有の税務用語・専門用語や医療業界のお金の流れがわかる

開業のためにはやらなければならないことが多く、不安に思ってしまう方も多くいらっしゃります。
業界に関する知識がある私たちだからこそ、スピード感と親身なサポートの両立か可能となります。

②医療・クリニックならではの決算のスキーム等への理解がある

医療・クリニックの決算の際には、特有の会計処理が必要となる場合がありますが、
その様な処理にもスムーズに対応できるのは、経験が豊富な私たちの強みのひとつです。

③他の診療所・クリニックとの付き合いもあるため、事例を持っている

地域に根差したサポートを心がけているため、診療所・クリニックとの関係性の人脈が豊富です。
様々な事例の中から、あなたに合った適切な開業準備を進めさせていただきます。

適切な専門家に相談し、サポートを受けながら、開業のための資金準備をしていきましょう!

融資に強い×医療業界特化はおうにし税理士事務所!まずはお気軽にご相談ください!

クリニック開業の資金計画についてお伝えしてきましたがいかがだったでしょうか?

当事務所は創業サポート、特に医療業界でのクリニック開業のご相談を多数いただいております。

クリニック開業に向けた事業計画作成・融資申請など全面的にサポートさせていただいており、大阪西区エリアトップクラスの実績です!

累計融資実行額4.8億円突破
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また、医療業界に精通している専門税理士だからこそ、融資実行の上でのポイント、事業計画・資金計画の詳細なアドバイスをお伝えすることが可能です。

開業時に必要な資金の融資について、「自社の場合はどうだろう…?」「創業融資のお手伝いをしてほしい!」という方へ、
当センターでは大阪エリアでご開業をお考えのドクターの皆様からのご相談を無料で承っております。

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